夫婦関係を劇的に改善する『課題の分離』とは
ケンカするほど仲がいいと言われますが、
ケンカのまっ最中の夫婦にとっては
家庭内の雰囲気は悪いし
イライラはするし
楽しくはないし
たまったものではありません。
でも確かに
ケンカするほど仲がいい
という格言にも一理あって、
ケンカすらしなくなってしまったら
関係性は真冬のオホーツク海のように
冷え切ってしまっているってことです。
我が家もありましたよ
毎日のようにケンカしていた時期。
問題の本質は全く別なところにあったのですが
洗濯物の干し方みたいな
些事でケンカに発展していました。
毎晩話し合いと称して
妻からのディスりを
ただ受け止めるだけの苦行も発生しました。
テーブル挟んだ距離で
思いっきり顔目がけて
グラスを投げられたこともあります。
つい反射的に避けてしまいましたが
後ろの壁にはベッコリと穴が・・・。
あーここ賃貸なのに。
夫婦が抱える問題の本質を見つけるのも
それを解決するのも
一朝一夕にはいきません。
めちゃくちゃ大変ですから。
これ妻にはナイショですが、
一時期本気で離婚を考えていました。
グラスを投げつけられたあたりですね。
でも課題の分離をしたおかげで
我が家の夫婦問題は沈静化しました。
夫婦関係がちょっと不穏だ
という方はぜひ課題の分離について
学んでみてください。
《目次》
・自分の課題と相手の課題を分ける
・靴下からみる夫婦の課題とは?
・アイメッセージを使う
・感情を因数分解する
・夫婦の距離感を測る
・期待することをやめる
課題の分離って何?
という
ベストセラーにもなった書籍をご存知でしょうか?
心理学者のアドラーの言葉を
物語調でわかりやすく解説している本です。
とても読みやすいので
興味を持った方はぜひ手にとってみてください。
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自分の課題と相手の課題を分ける
課題の分離とは
アドラーが提唱した考え方の1つで
自分の課題と相手の課題とを分離して考える
というものです。
自分の課題とは
自分が行動することで
変えることができるものです。
考え方を改めたり
習慣を変えたり
行動そのものを変えたりします。
自分の意思でできるものですね。
一方、相手の課題とは
自分の意思では
どうにもならないことです。
アドラーは
「相手にどう思われるか」
ということを気にする必要はない
と述べています。
なぜなら、
どう思うかは相手の課題であって
あなたの課題ではないからです。
なので相手がどう思うかを考えても
どうしようもないので
自分がしたいこと選ぼう
という話。
つまりは
自分がどうしたいのか
に焦点を当てれば良いのです。
相手がどうしたいかは
相手の課題であって
自分がどうしたいのかが
自分の課題となります。
靴下からみる夫婦の課題とは?
さて、これを夫婦ケンカに
置き換えてみましょう。
夫婦間ではよく
靴下脱ぎっぱなし問題
というものが勃発します。
多くのお宅では
夫が脱ぎっぱなしで
妻に注意されるという
構図のようですが、
我が家ではおおむね妻が
脱ぎっぱなしにしていました。
あと濡れた髪を拭いた後のタオルも
よく朝まで放置していましたね。
脱ぎ捨てられた靴下やタオルを見て
イライラするのは自分の課題です。
何度注意しても
履いた靴下やタオルを
洗濯機に入れないのは妻の課題です。
妻の行動や考え方を変えるのは
容易ではありません。
しつこくしつこくしつこくしつこく
言い続けて
聞いてくれることがあるかもしれない
というレベルです。
なんだったら逆ギレされた挙句に
喧嘩になることもあります。
そこまで苦労して
妻の行動を変えることに
ふさわしい見返りがあるのか
それなら自分が拾って
洗濯機に入れる方が
余計なカロリーを使わずに済みますし
ケンカにもなりません。
ケンカすると
いちいちエネルギー消費するんですよ。
靴下とはそこまでエネルギーを消耗して
洗濯機に入れるものなのか
と考えてしまいます。
靴下を片付けないのは妻の課題
と整理した僕は
靴下を放置することに決めました。
洗濯機に入っていないものは当然洗いません。
※洗濯は僕の担当です。
そう決めたら無駄に
イライラすることもなく
いつの間にか妻は
自分で片付けるようになりました。
課題の分離
をすることによって
解決した夫婦の事例です。
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課題の分離ができるようになるコツ
課題の分離の理屈はわかったけど
こんなんとっさに実践できないよ
その気持ち、よくわかります。
僕も最初はそうでした。
でもコツを覚えて
それを習慣化させれば簡単です。
とはいえ、
習慣化させるというのが
難しいポイントではあるのですが。
アイメッセージを使う
課題の分離をするコツというのが
『アイメッセージ』
です。
『愛』ではなく英語の『I』です。
つまり、
相手と会話する際には主語を自分にする
ということです。
そんなもん普通じゃない?
と思っているかもしれませんが、
意識していくと
意外とできていないことに気づきます。
夫婦ゲンカの際のやりとりを
思い出してみてください。
「なんでやってないの?」
「仕事が忙しいんだって」
「おかしくない?」
「仕事だって言ってんだろ!」
こうしてだんだん
エスカレートしていきますね。
最初の
「なんでやってないの?」
を振り返ってみましょう。
これはアイメッセージではありません。
相手に問いかける、
いや問い詰めるつもりのメッセージですね。
既にけんか腰です。
これをアイメッセージにすると
「やっていなくて(私は)悲しい」
もしくは
「この状態を見て(私は)ツラい」
と変換できます。
『私』の感情を主観的に伝えるのです。
「なんで早く連絡しないの!」
も変換すると
「早く連絡がもらえなくて悲しかった」
となります。
意識してアイメッセージを
実践してみてください。
こちらの記事も参考にしてください。
感情を因数分解する
怒りの感情というのは
相手に対して沸くもので
怒りを分解していくと
悲しみとか喪失感とか失望感
といった感情から
来るものだとわかります。
アンガーマネジメントでいう
『怒りの因数分解』です。
お前はどう思っているんだ
と相手に怒りをぶつけるのではなく
あなたの行動で
私はこう思っている
と主観的に語る
ことで冷静さを取り戻せますし
相手の情に
訴えかけることができます。
「ふざけんな!」
と言われれば
「何を!?」
と応戦したくなりますが
「(あなたのせいで)悲しい」
「ツラい・・・」
と言われれば
「それは申し訳なかった」
という気持ちにもなりやすい。
どういう気持ちなのかを
ダイレクトに伝えることで
衝突を避けることにもつながります。
私の気持ちはこう
というのが私の課題で
それを知ってどうするか
またどんなふうに思うかは
相手の課題なのです。
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夫婦共依存関係が一番怖い
夫婦ってどんな時も
手を取り合って協力していくこと
これが重要なのだと
洗脳されておりました。
だって結婚式で
神父だって言うでしょ?
「病める時も健やかなる時も・・・」
って。
そんなんただの
美辞麗句でしかない。
現実はもっと
ドロドロしたものだと
結婚後半年もすりゃ
気付くことになります。
夫婦の距離感を測る
確かに夫婦は協力して
家庭を作っていく必要があります。
しかし、距離感
というものがありまして
それを誤ると
夫婦関係のバランスを
崩してしまいます。
僕も最初は
苦しいながらも夫婦で協力して
乗り越えていくんだ、と
24時間365日
一緒にいる生活を選択しました。
2人の共同名義で会社も設立しました。
ところがこれが大失敗。
事業はうまくいかないし
日に日にケンカも増えていって
夫婦関係は最悪になりました。
同じ空間にいるのも嫌になって
家庭内別居状態。
友人夫婦の介入があって
ようやく解決の糸口を見出せたのでした。
夫婦の関係性が近くなりすぎると
お互いに相手に
頼りがちになってしまいます。
そんなつもりがなくても
パートナーに依存していたのです。
後から考えると
この時は夫婦共依存関係
にあったんだなと思います。
夫婦の距離感については
こちらの記事をどうぞ。
期待することをやめる
相手に役割を期待するから
期待通りじゃないと腹が立つ。
うまくいかないと
それを相手のせいにしてしまう。
そこで僕はあきらめることにしました。
期待するのをやめたのです。
家事も育児も全部自分がやるつもりで
そんな心構えでいることにしました。
シンパパなのだ
と考えるようにしました。
離婚するかしないかも
最終的に決めるのは自分なのだと
覚悟をしました。
そうしたら
食器が洗っていなくとも
洗濯物がたたんでいなくても
腹が立たなくなりました。
そう、
自分がやればいいだけ。
そう考えたらとても楽になってのです。
僕が黙って
家のことをやるようになって
妻も僕にあまり
文句を言わなくなりました。
自分は自分のことをやればいい。
家のことを全部自分ごとにしてしまう。
相手の行動は相手が考えて決めること。
どうでもいい。
あれから三年。
夫婦関係は随分と良くなりました。
「期待することをやめる」
はこちらの記事もご覧ください。
夫婦関係に正解はない
先ほど、夫婦の距離感について
ちょっとだけ触れましたが
夫婦の距離感はこれがベスト!
というものはありません。
毎日適切な距離が変わるので
僕は微調整して暮らしています。
これでしばらく会わなかったりすると
微調整していない分、
距離感をミスしてしまう
のかなとも思います。
同じ夫婦でも
毎日適切な距離感変わるのに
色んな夫婦がいて
同じようなアドバイスや
対策が有効とは限りません。
夫婦関係について
色んな記事や専門家がいますが、
どれも正解だしどれも不正解です。
合う人には合うけど
合わない人には合わない。
だって一人一人違う上に、
組み合わせも全然違うんですから。
「妻のトリセツ」なんてあったって
汎用性は皆無。
鵜呑みにしちゃダメです。
自分の妻の取説は
自分で作るしかありません。
それも数々打たれながら(泣)
チャレンジの仕方として
色々な方法を知っておくのは
良いと思います。
まずは試してみることが大切。
たくさんチャレンジして経験して
自分と相手に合った
正しい方法を編み出していきましょう!
僕もまだまだ道半ば。
チャレンジは続きます。
離婚ギリギリだったあの頃の夫婦の攻防戦はこちらの記事にまとめています。
夫婦関係の記事はこちらもどうぞ
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