防災士が伝える、幼い子どもがいる家庭の防災術
2024年はお正月から能登半島地震が起こったり
お盆前に南海トラフ地震と思しき地震が起こったり
台風の被害があったりと
震災続きです。
日本は災害大国ですから
これからも災害が発生することは間違いありません。
そして考えなければいけないのが
災害時にどのように対処するか
ということ。
我が家にも子どもがいますので、
今回は特に大変な幼い子どもがいるケースを
考えていきたいと思います。
※本記事にはPRを含みます。
僕が防災士になったわけ
僕は防災士の資格を持っています。
最初に防災士になった背景を少しだけ
綴らせてください。
僕の地元は福島県の南相馬市です。
2011年3月11日当時、
僕自身は東京で働いていましたが
地元は大変な被災をしました。
地元の復興支援活動を行おうと考え
当時、勤めていた広告代理店を退職しました。
南相馬市に入って様々な活動をしましたが
やはり痛感したのは
災害への備えって重要だ
ということと、
災害などの不測の事態において
子どもを守れるのは大人だということ。
もっとちゃんと防災についての知識をつけたい
と考え2013年に
防災士の資格を取得しました。
幼い子どもがいる家庭の防災基本対策
災害時、特に大変なのが
子どもがいる家庭だと僕は実感しています。
2018年に発生した胆振東部地震、
この時、子どもの友達家族らと小樽にいました。
北海道はブラックアウトを起こし、
電気水道ガスが軒並みアウト。
大人は我慢できることでも、
子どもはそうはいきません。
やはり大人が子どもたちのことを考えて
備える必要があるのです。
防災士が語る防災意識の育て方と家族の役割分担
防災の基本はまず
家族全員が危機意識を持つことから始まります。
家族全員で防災を「自分ごと」として捉えること
これがとても大切です。
子どもも年齢に応じて役割を持たせると、
責任感が芽生え、
緊急時の行動に役立ちます。
例えば、小さな子どもでも、
親が避難計画を話し合う際に
「おもちゃはこのバッグに入れる」
など簡単な役割を与えることで、
自然と防災意識が育まれます。
災害というのは
やっぱり楽しいことではないので、
日々それに向き合っていくのは
正直疲弊します。
なので、一番良いのは
防災を日常化してしまうことです。
日常の中で食糧ストックや
電池の買い替えなどをしておくと
無理なく災害への備えができるようになります。
幼児向け避難計画のポイント
特に幼い子どもがいる家庭では、
避難計画は分かりやすさが大切です。
家の中や近所の避難場所を
日常的に確認しておくことが肝心です。
「もし地震が来たら、この道を通って公園に行くよ」
という具合に、
遊びを交えたシナリオで
説明するのも効果的です。
定期的に簡単な避難訓練を行い、
子どもが怖がらずに
行動できるようにサポートしましょう。
非常持ち出し袋に入れるべきアイテムリスト
非常持ち出し袋には、
通常の食料や水に加えて、
幼い子どもに必要なアイテムも
準備する必要があります。
おむつやミルク、
子どもの好きなスナックなど、
安心感を与えるものを揃えることが大切です。
また、子どもがいつも使っている
毛布やぬいぐるみなども持参すると、
避難所での不安を和らげる助けになります。
さらに、子ども用の医薬品や
アレルギー対応食も必ず用意しておきましょう。
これらのアイテムが揃っていることで、
災害時に家族全員が少しでも
快適に過ごせるようになります。
おすすめの持ち出し袋はこちらです。
これさえあれば、
最低限必要なものをカバーできます。
ここにプラスして
子どものものを入れていきましょう。
幼い子どもがいるからこその防災課題とその対策
小さな子どもがいるからこそ
防災をする際に
留意しておかなくてはいけない課題があります。
幼児期の子どもを守るための家庭内安全対策
テレビなどでもしきりに言われているのが
家具の固定です。
背の高い家具はしっかりと壁に固定することで
家の中での怪我を大幅に減らすことができます。
大人だったら怪我で済むものが
幼い子どもの場合即死することもあり得ます。
・寝室特に頭の上には棚を設置しない
・できるだけ背の低い家具を使う
・重いものを上に置かない
などの対策ができます。
家具の固定にはこのツールがおすすめです。
取り付けも難しくはないので
サクッと買ってサクッと対策しちゃいましょう。
子どもの不安を減らす方法
災害時は誰しも不安を感じますが、
特に子どもは敏感に不安を感じます。
その時、親も一緒になってオロオロするのではなく
落ち着いて対処することで子どもも安心します。
子どもに不安を感じさせないためには、
普段から防災について話し合い、
「もしもの時はこうする」という計画を
家族で共有しておくことが大切です。
また、災害後は子どもが心のケアを受けられる環境を
整えることが必要です。
安心できる毛布やおもちゃを持参し、
避難生活でも普段とできるだけ
同じ生活リズムを保つことが、
子どもの安心感を高めるでしょう。
家族で行う防災シミュレーション
イベントやコンサートを実施するとき
リハーサルを入念に行うように
防災も準備と心構えが不可欠です。
防災に必要なデータを集める
災害時に迅速に対応するためには、
家族で事前に必要なデータを
集めておくことが重要です。
住んでいる地域の避難場所や、
家族それぞれの緊急連絡先をまとめておき、
常にアクセスできるようにしておきましょう。
スマートフォンには
防災アプリをインストールし、
地震や台風などの緊急情報が
即座に確認できる状態に
しておくことも大切です。
定期的にこれらの情報を家族で確認し、
アップデートする習慣を持つと安心ですね。
いざというときの合流場所を決める
災害が発生した場合、
家族全員が同じ場所にいるとは限りません。
また、輻輳(ふくそう)といって
同時にみんなが電波を使用することで
電話がかかりにくい状況になったり、
携帯電話の電波塔が被災して
電波が届かなくなる状況もあります。
そのため、いざという時に
合流する場所を
事前に決めておくことが大切です。
自宅近くの公園や学校など
避難所を合流場所にすると便利です。
我が家は被災しても
食糧やエネルギーが確保できそうな
知人宅を合流場所に設定していました。
家族全員が万が一の際に
どこに向かうのかを共有しておくことで、
緊急時にも落ち着いて行動ができますし
とりあえず目的地に向かうことができます。
地域のつながりそのものが防災
防災士の研修の中で
切っても切り離せないのが
「地域」とのつながりでした。
地域とどう繋がっていくのかが
災害時に生存可能性を高める
と言うことができます。
地域社会と防災
地域全体で防災意識を高め、
協力することが災害時には非常に重要です。
なぜなら、避難するであろう
避難場所にいるのは近所の人だからです。
避難場所という社会の中で
できるだけ快適な空間を作るためには
協力が不可欠。
ご近所、町内会のメンバーと
日頃から防災について話し合い、
避難場所や役割分担を決めておくと、
いざというときに助け合うことができます。
助けてもらうためには
自分ができることで誰かを助けることも必要。
助け合いの精神こそが
災害時に最も必要なものです。
特に子育て世代は
圧倒的に支援される側に回るわけですから
日頃からのコミュニケーションは必須ですね。
今こそ、助け合いの社会へ
災害時には、
個人の力だけでは限界があります。
そのため、地域全体で支え合う
「助け合いの社会」が求められています。
日本人は道徳性が高い民族だ
とも言われていますから
見ず知らずの人であっても
困っていたら手を差し伸べる人たちは
たくさんいると思います。
しかし、やはり親戚、友人・知人、仲間
といった関係性が構築できている人たちを
優先的にケアするのが人情ってもんです。
災害時にその地域による
助け合いが必須であるのであれば
地域における人間関係を
しっかりと構築すべきです。
そして人間関係という結びつきを強めて
地域で助け合いながら
災害を乗り越えていくことが求められるのです。
まとめ
幼い子どもがいる家庭の防災対策には、
日常生活に無理なく
備えを組み込むことが重要です。
家族全員で防災意識を高め、
役割分担を明確にすることで、
子どもたちも自ら行動できるようになります。
また、避難計画は分かりやすくし、
子ども向けにアレンジすることで、
家族が安心して
行動できる環境を整えることが必要です。
さらに、地域とのつながりを活かし、
助け合いの体制を築くことで、
災害時の支え合いが円滑に進むでしょう。
まずは我が家の防災計画、
見直してみませんか?
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