top of page
執筆者の写真コウスケ

夫婦間におけるヤマアラシのジレンマ。ハリネズミのジレンマの違いとは?



本当は好きなのに

相手を傷つけてしまう

本当は抱きしめたいのに

自分が傷ついてしまう。


そんなことはありませんか?

この現象

『ヤマアラシのジレンマ』

と呼ばれています。


夫婦間や恋人同士でも起こる

このジレンマは

どのようなものなのか

どうしたら解決できるのかについて

書き進めてみました。




ヤマアラシのジレンマとは



ヤマアラシのジレンマは、

ドイツの哲学者

アーサー・ショーペンハウアーによって

提唱された概念で、

彼の著書「パラエルガとパラリポメナ」において

主要なテーマの一つとして

取り上げられています。

覚える必要は全くありませんけどね。


ショーペンハウアーのこのたとえ話は、

人間関係などについて説明する際に

よく用いられています。



悲しいヤマアラシの物語


寒い天候の中で

ヤマアラシたちは

互いに寄り添って

温かさを共有しようとします。


ところが寄り添うと

互いのとげが刺さり合って

傷つけてしまいます。


ヤマアラシたちは

お互いに近づくことで

温かさを得ることができますが、

同時に他者との接触によって

痛みを感じてしまう

というジレンマが

発生するわけです。


このことを

ヤマアラシのジレンマ

と呼んでいます。



ヤマアラシのジレンマを人間に置き換えてみる


ヤマアラシのジレンマは

人間関係の例えとして語られたものです。


人々が他者との関わりによって

得られる温かさや

支えと同時に、

他者との距離を保つことで

生じる痛みや

葛藤について表現しています。


ヤマアラシのジレンマは、

自分自身のバランスとは何か、

他の人と親密な関係になる時の

リスクとは何か

について考えさせられます。


例えば、

人は誰かと親しくなることで

愛情やサポートを得る一方で、

相手に傷つけられたり、

依存関係に陥ったりする

可能性があるということです。


ヤマアラシのジレンマは、

自分とは違う他人と関係を築く上での

悩みや難しさを考えさせれます。






ヤマアラシ?ハリネズミ?どっちが正しいの?



ヤマアラシ?

それともハリネズミ?

迷う方もいるのではないでしょうか。


ネットで検索すると、

ヤマアラシのジレンマでも

ハリネズミのジレンマでも

両方ほぼ同じ内容の答えが出てきます。

でも、本当はどっちが正しいのでしょうか?



元ネタはヤマアラシのジレンマ


先ほど解説したように、

元ネタは

ドイツの哲学者

アーサー・ショーペンハウアーの

著書です。


そしてショーペンハウアーは

「ヤマアラシ」と表現しています。


確かにハリネズミも

トゲトゲだし、

置き換えても

意味は通用するのではないか

と思ってしまいます。


ヤマアラシが元ネタなのに

なぜハリネズミが出てきたのでしょうか。



ハリネズミのジレンマはエヴァンゲリオンのせい


かの有名なアニメ

新世紀エヴァンゲリオンの第3話

「鳴らない、電話」

にてこんなセリフがありました。


「ヤマアラシの場合、相手に自分の温もりを伝えたいと思っても、身を寄せれば寄せるほど体中のトゲでお互いをキズつけてしまう。人間にも同じことが言えるわ。今のシンジ君は、心のどこかでその痛みに脅えて、臆病になっているんでしょうね」

リツコさんのセリフです。


同世代のパパさんは

覚えている方も

いるのではないでしょうか?


でもこの時点ではリツコさんも

「ヤマアラシ」と言ってますよね。


本題は第4話の副題。

「雨、逃げ出した後 / Hedgehog's Dilemma」

エヴァ世代の方でも

さすがに副題までは覚えてないですよね。


Hedgehogを翻訳すると

「ハリネズミ」

になるのです。


つまり、Hedgehog's Dilemmaは

ハリネズミのジレンマ

となります。


ちなみに、ヤマアラシの英語は

porcupine

です。


単語が全く違うのです。






なぜヤマアラシではなくハリネズミ?


なぜガイナックスは

Porcupine's Dilemma

ではなく

Hedgehog's Dilemma

にしたのでしょうか?


リツコさんのセリフでは

「ヤマアラシのジレンマ」

と語っていますので、

これは事実として

正確に述べているもの

と思われます。


それをわざわざHedgehogに

変えたのは

諸説あるのですが、

ヤマアラシとハリネズミの生態の違い

があると言われています。


ヤマアラシは相手を威嚇するために

針を逆立てます。

つまり攻撃的な意味合いです。


一方のハリネズミは

自分の身を守るために針を立てます。


自分を守る

という意味合いにおいて

作中のシンジくんの心理に

近いものがあったのではないでしょうか。


すみません、この小見出しは

全くの余談です。

本題は次からですからね。

まだ離脱しないでくださいね。



夫婦間におけるヤマアラシのジレンマとは



さて、ここからが本題です。

他人との関係性において発生するのが

ヤマアラシのジレンマである

と述べました。


これは夫婦間においても同様です。

以下の3つのタイプに分類してみました。



タイプ1:うまく表現ができない


好きなら好きって言えばいいのに

うまく表現できない人はいます。


小学生の頃、

男子が好きな女子に

ちょっかいをかける感じに

似ているでしょうか。

嫌だと言われているのに

それが嬉しくて(?)

何度もやってしまう心理。

男性には共感してもらえるはず。


大人になっても

妻には

「表現してくれない」

「何考えてるかよくわからない」

と言われている方も多いのでは?


男性は表現しているつもりでも

女性にはもっとダイレクトに言わないと

伝わらないということがよくあります。


しかし!!!

これだけは言いたい。

女性だって

ちゃんと伝えてないからな。

あまりにも

「察して」

が多すぎる!!!


わかっているものだ

という前提で会話だったり

家事だったりを要求されるので

ズレが生じて

キシャーーーーっと

威嚇されるわけです。


え?こっち悪くなくない?

と思いつつも

威嚇している

妻には敵いません。


表現が下手な人は

なんで伝わらないの?

なんでわかってくれないの?

と相手の責任にばかり

目が行くので

威嚇をしてしまいます。


もっと自分の表現方法に目を向ければ

ヤマアラシのジレンマには

陥らずに済むのではないでしょうか。



タイプ2:相手を傷つけることで自分を守る


うちの妻はこのタイプです。

うちの妻は決して謝りません。

例え自分が明らかに間違っていてもです。


このタイプはどうやって

自分のことを守るのか。

それは相手を傷つけることで守ります。


自分は間違っていない

イコール

相手が間違っている


という方程式が

常に成り立っています。

指摘された間違いに目を向けずに

関係ないことを持ち出して

執拗に責め出します。


これに何度やられたことか・・・

「あの時あなたはこうだった」

「それを言うならこっちだって」

ひろゆきバリの論理のすり替えです。

ひどいものだと

数年前にされたことを

いまだに引きずっているから

今私はあなたを傷つける行動に出ている

だからあなたが原因であり

あなたが悪い

という論法。


そのくせ、

そんな私も愛してくれ

とも要求するわけです。

これは完全に

ヤマアラシのジレンマです。

むしろ人を傷つけて

嫌われるようなことしているのに

そんなことされて愛せるわけないじゃん。

いや、まずは謝れよ。

自分の過ちを認めろよ。

と僕は思ってしまうのです。


このタイプの場合は

人を傷つけている認識を持って

わざとやっているので

なぜ自分がそんな行動をとるのか

それで本当に欲しいもの

相手からの愛などは

受けられるものなのか

を自問自答してみてください。


いや、ほんと切実に。

妻にもいつもそう伝えています。



タイプ3:無意識に傷つけてしまう


妻とは逆に僕がこのタイプなのです。

妻曰く、

無意識に傷つけている

のだそうです。


アンコンシャスバイアス(無意識偏見)

とも言われます。


色々なパターンがありますが

本記事にもっとも合いそうなのは

正常性バイアス

でしょうか。


このくらいなら問題ない

このくらいは常識だ

という自分の中の基準を

相手も同じ感覚だと

思ってしまうことです。


やっぱり相手は相手の感覚があり

そこにズレが生じているから

傷ついてしまうのです。


これは自分自身の

これまでの経験や

幼少期の体験

そしてさまざまな生活習慣などから

思考のパターン化が行われます。


脳科学者の中野信子先生が言うには、

脳を使うのは

非常にエネルギーを使うので

人間は思考のパターン化を行い、

脳を省エネモードにする

傾向があるそうです。


アンコンシャスバイアスも

結局は脳の省エネ化によって

起こる問題です。


ヤマアラシのジレンマ的な視点から見ると

無意識に本能で針を立てている状態です。

無意識で傷つけられている!!

と言われてもですね、

無意識だから罪悪感も何もないわけです。


本当にただただ

普通に接しているつもりなんです。

改善するには

無意識を意識していくしかありません

僕はとにかく妻に指摘してもらって

意識して直すということを行いました。




まとめ


ヤマアラシのジレンマは夫婦間において

深刻な問題をもたらします。

愛し合って夫婦になったはずなのに

理解しようとして

傷つけあっていたら本末転倒。


【タイプ1:うまく表現ができない】

という方は

自分の表現方法を見直してみてください。

最初はぎこちないかもしれませんが

努力すればスムーズに

相手に伝えることができるようになります。


【タイプ2:相手を傷つけることで自分を守る】

という方は

なぜ自分がそんな行動をとるのか

本当に欲しいものは何なのか

自分自身と対話してみてください。

幼少期のトラウマや

両親もしくは兄弟姉妹との関係性など

思いもよらなかった要因が

見えてくることがあります。


【タイプ3:無意識に傷つけてしまう】

という方は

無意識を顕在化し、意識するようにしましょう。

言われて嫌かもしれませんが

パートナーに指摘してもらい

意識していくしかありません。



本当は抱きしめたいのに

抱きしめようとすると

相手を傷つけ

自分も傷ついてしまう。

そんなヤマアラシのジレンマに

陥らないように

注意して夫婦関係を構築していきたいですね。



 

【おすすめ記事】




閲覧数:391回0件のコメント

Comments


bottom of page