候補を採点したら、犯人は思っていたところにいなかった|スコーン打鍵感計画 #3

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キーボードの打鍵感を採点表とルーペで検証する机の俯瞰の様子

前回は、キーボードの打鍵感を測る採点表を全部公開しました。無重力ボール感45点、湖池屋スコーン感30点、疲れにくさ15点、実用性10点。合わせて100点です。

今回はその表で、実際の候補に点数をつけます。

先に書いておきます。カタログの数字を一台ずつ公式ページで確認していったら、私が二週間信じていた前提が、根っこからひっくり返りました。

目次

お断り

この記事の数字は、可能な限りメーカーの公式仕様ページで確認しました。2026年8月4日時点のものです。

そのうえで、はっきりさせておきます。

磁気式(ホール効果)のスイッチは、押し始めの荷重だけ公表して、底打ちの荷重を書いていないものがほとんどでした。

なので「荷重変化の少なさ」は、公式に両方の数字がある機種以外、私の暫定点です。実際に長く打っていない機種の「疲れにくさ」と「着地の感触」も、仕様からの見立てになります。

これは完成品の順位表ではなく、私の指の好みにどれが近そうかの予想だと思ってください。

公式仕様ページを確認するノートPCと空欄の残る仕様表の様子
数値はメーカー公式仕様で確認。ただし底打ち荷重は非公開が多いという前提の共有

いちばん大きな発見

先に書いてしまいます。

押し始めと底打ちが同じ重さだと公式に言い切っているスイッチは、ひとつしか見つかりませんでした。

Gateronの「Magnetic Jade Attraction」という磁気スイッチです。公式ページに、押し始めも底打ちも30gf前後で同一という説明があります。総ストロークは3.2mm前後。

つまり私が「無重力ボール」と呼んでいたものは、完成品のキーボードとしては、まだほとんど売られていないということでした。

市販の完成品はどれも「軽く入って、奥に行くほど重くなる」設計です。程度の差はあれ、方向は同じでした。

翡翠色のキースイッチ一個だけが光るキースイッチの列の様子
押し始めと底打ちが同じ重さ。そう公言するスイッチは、ひとつしかなかった

採点結果

まず、比べた11通りの仕様を並べます。初期荷重は押し始めの重さ、総ストロークはキーが沈む深さです。私が探しているのは「初期荷重が軽く、ストロークが短い」ものでした。

先にひとつ、はっきりさせておきます。この中で私が実際に店頭で触ったのは、3系統だけです。SteelSeries Apex Pro TKL、Razer Huntsman V3 Pro TKL、Pulsar PCMK 2 HE。それと毎日打っている CORSAIR K70。残りはカタログの数字しか見ていません。表では、触った機種に「※店頭で触った」と入れてあります。

そして触った3系統は、全部「良かった」と感じています。これがあとで効いてきます。

※ 表の数字を追うのが面倒なら、ここは飛ばして「この採点で分かったこと」まで進んでください。結論だけでも話は通ります。

順位メーカー / 機種スイッチ方式初期荷重総ストローク配列
1MelGeek CYBER01(メルギーク サイバー01)+ 軸交換Gateron Magnetic Jade Attraction
(ゲートロン マグネティック ジェイド アトラクション)
磁気式30±3gf3.2mm英語
2SteelSeries Apex 9 TKL
(スティールシリーズ エイペックス9 TKL)
OptiPoint(オプティポイント)リニア光学式35g3.2±0.4mm日本語
3Logicool G515 RAPID TKL
(ロジクール G515 ラピッド TKL)
ロープロファイル磁気式磁気式35±7g2.5mm日本語
4MelGeek CYBER01(メルギーク サイバー01・純正のまま)Gateron KS-20 Magnetic White
(ゲートロン マグネティック ホワイト)
磁気式30gf4.1mm英語
5Razer Huntsman V3 Pro TKL
(レイザー ハンツマン V3 プロ TKL)
※店頭で触った
第2世代アナログオプティカル光学式40g公式記載なし日本語
SteelSeries Apex Pro TKL(2023/Gen 3)
(スティールシリーズ エイペックス プロ TKL)
※店頭で触った
OmniPoint(オムニポイント)磁気式磁気式公式記載なし公式記載なし日本語
5CORSAIR K70 RGB TKL Champion Series
(コルセア K70 RGB TKL チャンピオンシリーズ・いま使用中
CHERRY MX Speed Silver
(チェリー MX スピード シルバー=銀軸)
メカニカル30cN3.4mm日本語
7Pulsar PCMK 2 HE TKL
(パルサー PCMK 2 HE TKL)
※店頭で触った
Gateron × Pulsar 磁気式磁気式30±7gf4.1mm日本語
8ZENAIM KEYBOARD 2 TKL
(ゼナイム キーボード2 TKL)
ZENAIM KEY SWITCH磁気式32±10g1.9mm日本語
9ASUS ROG Falchion Ace 75 HE
(エイスース ROG ファルシオン エース 75 HE)
ROG HFX V2磁気式30〜32gf3.5mm英語
10Wooting 80HE(ウーティング 80HE・純正のまま)Lekker L60 V2(レッカー L60 V2)磁気式40gf4mm日本語

この仕様をもとに採点した結果が、こちらです。数字が大きいほど私の好みに近いというだけの表で、製品の優劣ではありません。

順位メーカー / 機種無重力
(45点)
スコーン
(30点)
疲れにくさ
(15点)
実用性
(10点)
合計
(100点)
1MelGeek CYBER01 + Jade Attraction
(メルギーク サイバー01 + ジェイド アトラクション)
442215687
2SteelSeries Apex 9 TKL
(スティールシリーズ エイペックス9 TKL)
322413978
3Logicool G515 RAPID TKL
(ロジクール G515 ラピッド TKL)
341915977
4MelGeek CYBER01(メルギーク サイバー01・純正のまま)352311675
5Razer Huntsman V3 Pro TKL
(レイザー ハンツマン V3 プロ TKL)
※店頭で触った
30259973
SteelSeries Apex Pro TKL(2023/Gen 3)
(スティールシリーズ エイペックス プロ TKL)
※店頭で触った
採点保留(理由は下の「触ったのに点数がつけられなかった一台」)
5CORSAIR K70 RGB TKL Champion Series
(コルセア K70 RGB TKL チャンピオンシリーズ・いま使用中
27299873
7Pulsar PCMK 2 HE TKL
(パルサー PCMK 2 HE TKL)
※店頭で触った
331911972
8ZENAIM KEYBOARD 2 TKL
(ゼナイム キーボード2 TKL)
262313971
9ASUS ROG Falchion Ace 75 HE
(エイスース ROG ファルシオン エース 75 HE)
331612667
10Wooting 80HE(ウーティング 80HE・純正のまま)22169956

4つの項目が何を測っているか(詳しくは #2 の採点表 に書きました)

  • 無重力(45点)=押し始めが軽く、底まで押しても重さが変わらないか。指を置いたら勝手に落ちていく感じ
  • スコーン(30点)=底に当たった瞬間が硬くて明確か。「カツン」と止まるか、「ポフッ」と沈むか
  • 疲れにくさ(15点)=30分以上打ったときの指の疲れと、ストロークの短さ
  • 実用性(10点)=日本語配列か、F列と矢印キーがあるか、修理や交換ができるか

いま私が使っているのは、この表の5位にある CORSAIR K70 RGB TKL Champion Series です。CHERRY MX Speed Silver、通称「銀軸」が載っています。

真ん中あたりに、私が毎日打っている子がいます。

壁に貼った採点結果を見上げる人物の後ろ姿と点数表の様子
無重力感・スコーン感・疲れにくさ・実用性。10機種を100点満点で並べた採点結果

CORSAIR K70 RGB TKL Champion Series(いま使用中):73点

ここから書きます。

いま毎日打っているのは CORSAIR K70 RGB TKL Champion Series。スイッチは CHERRY MX Speed Silver、通称「銀軸」です。テンキーのない日本語配列で、筐体はアルミ。2021年に出た機種で、新品の国内流通はもう終わっています。

私はずっと、この一台を「押し始めは悪くないのに、なぜか疲れる」と思っていました。そして原因を「押し始めが重いから」だと考えていました。

CHERRYの公式仕様には、こう書いてありました。

  • 初期荷重(押し始め):30cN
  • 作動力(反応する瞬間):45cN
  • 終端荷重(底まで押し切ったとき):100cN

押し始めは30cNでした。私の表では14点。十分に軽い。

私が「重い」と思っていた45cNは、押し始めの重さではなく、反応する瞬間の重さでした。ここを取り違えていました。

では、どこで落としたのか。

荷重変化が0点でした。

30cNで入って、底では100cN。3倍以上に増えます。表では「26gf以上の差=0点」なので、最下位です。

これでつながりました。

打ち始めは軽い。だから「悪くない」と感じる。ところが押し切るところで重くなるので、一日分積み重なると夕方に指が重くなる。

犯人は押し始めではなく、押し込む途中にいました。

二週間探していた相手が、まったく別の場所にいたわけです。

そしてスコーン感は29点。今回いちばん高い数字です。アルミフレームで、吸音材の記載もなく、底に当たった瞬間がまっすぐ返ってくる。この着地の気持ちよさが、私にこの一台を使わせ続けていたのだと思います。

無重力27・スコーン29。

軽く入るのに底で三倍重くなり、そのぶん着地はいちばん硬い。私の「悪くないのに疲れる」は、この数字そのものでした。

なお、この機種は新品の国内流通が終わっているようです。私が見たときは中古で数千円のやりとりがありました。

夕方の西日に照らされた使い込んだ銀軸キーボードと休む手の様子
軽く入って底で三倍重くなる。悪くないのに夕方疲れる理由が数字で見えた

完成品の1位:SteelSeries Apex 9 TKL(78点)

光学式のリニアで、作動力は公式に35g。総ストロークは3.2±0.4mmと、別売スイッチのページに書かれていました。日本語配列のテンキーレスがあります。

無重力32・スコーン24。

トッププレートはアルミなので、軽いスイッチを柔らかい筐体で受ける構成ではありません。ストロークも3.2mmと短い。

気になるのは着地の音でした。ここは記事を書いたあとで調べ直して、自分の予想が外れていたことが分かりました。

私は「軽い軸だから、パチンと軽くて大きめの音が鳴るのでは」と予想していました。ところが実際のレビューを読むと、逆のことが書いてありました。

打鍵音も控えめで(中略)それよりもさらに軽い音に聞こえます

押し心地はすごく気に入っています/長い時間使っても疲れにくい

「【Apex9 TKL レビュー】最強のゲーミングキーボード現る!」より

つまり音は「うるさい」ではなく「控えめ」。疲れにくさも高く評価されています。私の採点表でいうと、スコーン感(着地の硬さ・音の歯切れ)はもっと低くなる可能性があるということです。24点をつけましたが、実物を打つと下がるかもしれません。

条件への近さと価格のこなれ具合を考えると、いちばん現実的な候補です。

アルミ筐体の光学リニアテンキーレスキーボードを俯瞰で捉えた様子
作動力35g、ストローク3.2mm。完成品では最も条件に近い78点の一台

ほぼ同点:Logicool G515 RAPID TKL(77点)

これは候補から抜け落ちていた一台でした。見落としていたのが不思議です。

磁気式のリニアで、作動力は公式に35±7g。総ストロークが2.5mmしかありません。日本語配列87キー、筐体高22mm。

疲れにくさは15点、満点でした。軽くて短くて低い。手首への負担がいちばん小さそうです。

ただ、スコーン感は19点。公式に「多層のサウンドダンピングフォーム」が入っていると書かれているので、着地は柔らかめになると予想しています。

無重力34・スコーン19。

私の好みを、きれいに半分だけ満たしている数字です。疲れないほうを優先するなら、これがいちばんかもしれません。

筐体の低い薄型テンキーレスキーボードを真横から見た手首との角度の様子
ストローク2.5mm、筐体高22mm。疲れにくさは満点だった薄型の77点

触って良かった一台:Razer Huntsman V3 Pro TKL(73点)

店頭で叩いて「あ、良い」と声が出た機種です。

ところが公式の押下圧は40g。私の足切りのぎりぎりで、表に当てはめると押し始めは7点しかつきません。

それでも良く感じたのは、重さではなく滑らかさでした。光学式なので接点由来の引っかかりがなく、ガタつきもない。抵抗の変わり方が素直なのだと思います。

指の証言とスペック表がずれた一台でした。だから実際に触るのはやめられません。

店頭で展示キーボードを試し打ちして打鍵感を確かめる女性の様子
押下圧40gでも滑らかで良かった。スペックと指の感想がずれた一台

短さの王様:ZENAIM KEYBOARD 2 TKL(71点)

日本のブランドで、総ストロークは1.9mm。今回いちばん短い。

公式の数字は押し始め32g±10、終端50g±10。押し込むと18gほど重くなります。

無重力26・スコーン23。

無重力ではありませんでした。ただ、これは別ルートのスコーンだと思います。軽く入って、ものすごく速く底に着く。今の一台の「軽く入って最後で締まる」が好きなら合う可能性はあります。

ただし4万円近い。今の段階で試すには高すぎます。

1.9mmの短いストロークを示す押し込まれたキーキャップのマクロの様子
総ストローク1.9mm。今回いちばん短い沈み込みを持つ71点の一台

理論上の1位:CYBER01 + Jade Attraction(87点)

これは完成品ではなく、自分で組む一台です。

土台はMelGeekのCYBER01。83キーで、磁気スイッチのホットスワップに公式対応、トレイマウント。そこに例の「押し始めも底打ちも30gf」のスイッチを入れる構成です。

無重力44・スコーン22。荷重変化は、この表で唯一の満点になりました。

ただし、正直に書いておくことがいくつもあります。

このスイッチの国内取り扱いを、当初は見つけられませんでした。(その後、国内で単品150円・35個4,500円で扱っている店を見つけました。この話は次回に書きます)

そして、CYBER01とこのスイッチの組み合わせを、メーカーが名指しで「対応する」と言っている資料も見つかりませんでした。CYBER01の公式仕様には他社製磁気スイッチを使ったときの精度についての記載がありますが、そこに挙がっているのは「Magnetic Jade」であって「Attraction」ではありません。

さらに配列が英語配列です。日本語配列の設定はありません。

つまりこの87点は、「うまくいけば」の点数です。実用性が6点しかないのは、そういう理由です。

自作キーボードに翡翠色の磁気スイッチを差し込む手元の俯瞰の様子
スイッチを載せ替えて87点。理論上の一位は完成品では買えない構成だった

意外だったもの

Wooting 80HEはソフトの評判がとても良い機種です。ただ純正スイッチの荷重が公式で40〜60gf。押し始めが40gで、底で60gまで上がります。無重力は22点にとどまりました。

スイッチを入れ替える前提なら話は変わりますし、日本語配列もラインナップにあります。ただ、私が探した時点では国内で日本語配列の在庫を見つけるのが難しい状況でした。

ROG Falchion Ace 75 HEは、押し始めが30〜32gfと数字だけなら理想的です。

ところが総荷重が45〜49gf。15gfほど重くなる。そしてガスケットマウントで吸音材が6層。着地は柔らかめになると見ています。

無重力33・スコーン16。まさに「軽いが底が丸い」の典型でした。英語配列のみなので、実用性は6点です。

Pulsar PCMK 2 HE TKL(パルサー)は、店頭で触って良かった一台です。押し始め30±7gfと軽く、日本語配列もある。

ところが総ストロークが4.1mm。今回いちばん長いのです。ここで点を落として72点になりました。指は良いと言ったのに、表は下から4番目に置いたということです。この食い違いは、あとで自分で確かめるしかありません。

予想外の採点結果に驚き順位表を見つめる男性の様子
高評価の一台が伸びない。採点表は事前の予想を何度か裏切った

触ったのに点数がつけられなかった一台

SteelSeries Apex Pro TKL(スティールシリーズ エイペックス プロ TKL)です。店頭で叩いて、はっきり「良かった」と思った一台でした。

ところが、採点表に載せられませんでした。SteelSeries が押下荷重を公表していないからです。

公式仕様ページにあるのは「作動点0.1〜4.0mm(Gen 3)/0.2〜3.8mm(2023)で可変」という調整範囲だけ。Gen 3 の説明文に「ボトムアウト力は45g」という記述はありますが、これは押し切ったときの重さで、私の表がいちばん重く見ている初期荷重の記載がどこにもありません。総ストロークも公式には出てきません。

つまり、45点ぶんの「無重力」を採点する材料が、公式には存在しないということです。レビューの実測値を借りれば数字は埋まりますが、それをやると他の機種は公式値、この機種だけ他人の実測値という不揃いな表になります。だから空欄のままにしました。

正直、これはかなり悔しい結果です。実際に触って良かったものが、資料の不足で表から落ちる。採点表というやり方の限界が、いちばんはっきり出た場所でした。

ついでに書いておくと、店頭で触った3系統——Apex Pro TKL、Huntsman V3 Pro TKL、Pulsar PCMK 2 HE——は全部良かったんです。指は「良い」と言っている。ところが表の上では73点、72点、採点保留とバラバラになる。

この3機種に共通しているのは、接点式ではないこと(光学式か磁気式)でした。摩擦が少なく、抵抗の変わり方が素直。私の指が反応していたのは、荷重よりも滑らかさだったのかもしれません。表がうまく拾えていない要素が、まだありそうです。

この採点で分かったこと

三つあります。

ひとつめ。私の好みは、いまのキーボードの流れとは逆を向いている。

最近の高級機は、静かで上品な打鍵音を目指して吸音材を何層も入れ、ガスケットで柔らかく受ける方向に進んでいます。良い設計ですが、私が好きな「カツン」はその過程で消えていきます。

ふたつめ。軽さと着地は、いまのところ両立していない。

上位に来た機種はだいたい「軽いが丸い」か「硬いが重い」のどちらかでした。両方を満たすのは、自分でスイッチを入れ替える構成だけです。

みっつめ。これがいちばん大きいのですが、私はずっと犯人を取り違えていた。

押し始めが重いのだと思い込んでいました。違いました。押し始めは14点あって、0点だったのは荷重変化のほうです。

もしこの表をつくらずに買い替えていたら、「とにかく押し始めが軽いもの」を選んでいたはずです。そして押し込むと重くなるタイプを引いて、また夕方に指が重くなっていた。

方眼紙に描いた二本の荷重曲線を指でなぞり打鍵感を分析する様子
疲れの正体は押し始めではなく荷重変化。二本の線が結論を教えてくれた

探すべきものが変わった

いちばんの収穫は、順位が出たことではありませんでした。

自分の思い込みが、公式の数字にひっくり返されたことです。

45cNを押し始めの重さだと思い込んで、二週間その前提で探していました。それが、公式ページを開いた5分でくつがえった。

私が欲しいのは「押し始めが軽いもの」ではなく、「押し込んでも重くならないもの」でした。似ているようで、選ぶものがまったく変わります。

紙でも同じことが起きます。「厚い紙が欲しい」と言われて厚い紙を出すと、違うと言われる。本当に欲しかったのは嵩だった、という話です。言葉が一段ずれているだけで、渡すものが変わる。

自分でやっていました。

次回は、実際に買う話を書きます。理論上の1位を組むために、まず150円だけ使うことにした、という回です。


この記事で参照した資料

荷重・ストローク・構造の数値は、すべて2026年8月4日時点でメーカーの公式仕様ページを確認したものです。公式に記載がない項目は、本文中で「公式記載なし」または「私の見立て」と書き分けています。

  • CHERRY MX2A SPEED SILVER 公式仕様(初期荷重30cN/作動力45cN/終端荷重100cN/作動点1.2mm/総ストローク3.4mm):cherry.de
  • SteelSeries Apex 9 公式(作動力35g):steelseries.com/総ストローク3.2±0.4mm は別売スイッチページの記載
  • SteelSeries Apex Pro TKL Gen 3 公式(作動点0.1〜4.0mm可変。初期荷重・総ストロークの記載なし。説明文に「ボトムアウト力45g」のみ):steelseries.com
  • SteelSeries Apex Pro TKL (2023) 公式(作動点0.2〜3.8mm可変。初期荷重・総ストロークの記載なし):steelseries.com
  • ロジクール G515 RAPID TKL 公式(35±7g/総ストローク2.5mm/本体高22mm):press.logicool.co.jp
  • Razer Huntsman V3 Pro TKL 公式(押下圧40g):razer.com
  • ZENAIM KEYBOARD 2 TKL 公式(初期32g±10/終端50g±10/総ストローク1.9±0.15mm):zenaim.com
  • ASUS ROG Falchion Ace 75 HE 公式(HFX V2:初期32gf/総荷重49gf/総ストローク3.5mm/ガスケットマウント/吸音材6層):rog.asus.com
  • Gateron Magnetic Jade Attraction 公式(初期30±3gf/底打ち30±3gf、両者が同一と明記/総ストローク3.2±0.2mm):gateron.com
  • Wooting Lekker Switch L60 V2 公式(40〜60gf/総ストローク4mm):wooting.io
  • Apex 9 TKL の打鍵音・打鍵感についての引用元:【Apex9 TKL レビュー】最強のゲーミングキーボード現る!

スコーン打鍵感計画

ここがいちばん数字の多い回です。読み物として追うなら #1 と #4 だけでも話は通ります。


※この記事の仕様は2026年8月4日時点で、各メーカーの公式ページを中心に確認したものです。公式に公表されていない数値については、私の見立てである旨を本文中に記しています。感触は個人差が大きいので、可能なら店頭で触ってみてください。

朝日の差す窓辺で次の一台を待つ空いたデスクとキーボードの様子
探す条件が変わった。次に確かめるのは荷重変化の少なさという一点
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