小学校へ行かないという選択。なぜ学校に行かなければいけないのか
更新日:8月28日
5年前、娘は小学生になりました。
しかし、コロナ禍もあって小学校もすぐに休校になり、
結局一度も登校せず夏になってしまいました。
コロナがあろうがなかろうが、
そもそも我が家は
娘の意思を尊重しようと思っていましたし、
小学校へ行かないのなんて
はじめから想定済でした。
休校なんて全くへっちゃらでした。
しかしコロナもひと段落し、
学校も再開し始めた頃に
トラブルの種がむくむくと膨らんできたのです。
学校は行かなければいけない「え?なんで?」
コロナで休校中は在宅で問題なかったものの、
休校が明けてからというもの、
小学校から
「いつ登校しますか」
「一度会いましょう」
といった連絡が増えました。
窓口になっていた妻から
こんなこと言われたよ、と報告が。
「学校は行かなければいけないものです」
と教頭先生に電話口で言われた、と。
「え?なんで?」
僕の頭には
クエスチョンマークがたくさんつきました。
何のために学校へ行くのでしょうか?
多くの方は
「勉強をするため」
「友達を作るため」
「集団生活を学ぶため」
と言うでしょう。
え?それって必要?
というか、学校行かなきゃできないこと?
じゃあ、それが他でできてりゃ
学校いかなくてもいいってことじゃんね
ってことになりません?
「小学校は『義務教育』だから」
と言う人もいるでしょう。
そう言う方は
そもそもの認識が間違っています。
国民の三大義務の1つに挙げられ、
憲法26条に掲げられているのは
「教育を受けさせる(受ける機会を提供する)義務」
であって、
「教育を受けなければならない」義務ではありません。
主語が違います。
親として、
教育を受ける機会、
選択肢は提供するものの、
それを受けるかどうかは
本人の意思が尊重されて
しかるべきだと僕は思うのです。
学校に行かなければいけない論の本音
「学校行かなきゃダメ」
とおっしゃる方には
年配の方が多いように感じます。
僕ら今の子育て世代も
「学校は行くもの」
「簡単には休まないもの」
と親に教えられてきたので、
それが当たり前であると
刷り込まれているかもしれません。
年配の方も親から刷り込まれた習慣が
根付いているのだと思います。
「なぜ学校へ行かなければいけないの?」
という疑問に目をつぶって生きてきているので、
条件反射的に
「学校行かなきゃダメ」
となるわけです。
ちゃんと「なぜ学校へ行くのか」
について考えてきた人は
世代に関係なく、
反射的に「学校行かなきゃダメ」
なんてことは言いません。
学校へ行くのは
本当に子どもの意思なんでしょうか?
6歳になったら
「学校は行くべき」
という社会同調圧力や、
子どもが学校へ行っている間は
自由な時間ができて助かる
といった親の都合がないと言い切れますか?
そもそも、出勤するから
保育園に日中は預けていた
という人もいるでしょう。
それぞれ事情もありますし
考え方も違いますから、
それが悪いことだとは思いませんが、
それって親の都合ですよね。
3歳にも満たない幼少期や乳児期に
親から離れたい
なんて思う子どもがいるでしょうか?
「学校行かなきゃダメ」論の背景には、
子どものためではなく
大人の事情であることの方が
色濃いように感じます。
それって学校の都合でしょ
さて、電話をしてきた
娘の学校の教頭先生に話を戻してみます。
彼女が
「学校は行かなければいけないものです」
と考える背景には
自分の職場や職業への誇りもあるでしょうし、
彼女の幼少期の刷り込みも多分にあるでしょう。
しかし、そこからは
子どもへの配慮や意思尊重が全く伝わらないのです。
考えてみてください。
恋人をデートに行こうよって誘う時に
「週末はデートしなくちゃダメです、行きましょう」
なんて言わないですよね。
もっと楽しい話をしたり気分を盛り上げますよね。
「ねばならない」を押し付けられたら
嫌な気持ちになる上に
行きたくなくなりませんか?
僕はあまのじゃくなので
絶対行ってやるもんかってなっちゃいます。
僕ら夫婦は学校に通う事が絶対ではない
という価値観を持っています。
それに対して
「学校に通った方が絶対いいです」
という正義を掲げ、
受け入れさせたいのであれば
プレゼンをせい!と思うのです。
こちらの価値観を覆す事ができたら
それは叶うでしょう。
学校へ行かない子がいることで
対応が面倒になったり、
職務上の配慮が
必要になることもあるでしょう。
詳しくはわからないですが
勤務評価につながることもあるのかもしれません。
でも、そんなの学校の都合でしょ?
我々のそして子どものライフスタイルに
全く関係のない話です。
それを正直に言ってくださって、
「困っているので助けてください」
と言われれば先生の負担を減らせるよう考えますし
協力もします。
プレゼンで相手の心を動かすことから
ビジネスは始まります。
それと同様に、
先生方も親や児童の心を動かすプレゼンが
必要なのではないでしょうか。
もちろん、
貫きたい意思があって
伝えたい思いがあればですが。
なぜ小学校に行かない選択をするのか
そもそも義務教育である小学校へは
行かなければいけないのでしょうか。
そんな疑問は常々ありました。
我が家で学校へ行かない選択をしたのには
以下の理由があります。
子どもだってツラい
僕の父親は公務員で転勤族でした。
おかげで僕は小学校を3つ
渡り歩くことになりました。
正直、小学生の僕にとって
転校は毎回辛いものでした。
せっかくできた友達との別れは
やっぱりきついものがあります。
そして何よりキツかったのは転校後でした。
よそ者に対しての疎外感や
いじめなどがありました。
学校へ行きたくない日もありましたが、
「学校へは行くもの」
という考え方を持っている両親は
体調不良以外で休ませてはくれず、
随分と我慢を強いられた気がします。
僕は自分が味わったような無駄にツラい思いは
子ども達には与えたくないと考えています。
社会に必要な教育システムか
また、僕は義務教育の目指す先に疑問を感じています。
教育基本法が作られた1946年をベースに
今の義務教育は成り立っています。
当時は、戦後復興の中で
団塊の世代に代表されるような
イケイケどんどんのサラリーマン戦士が
社会に必要だったのだと思いますし、
そういった人材を育成する上で
目的に合った教育がなされていたのだと感じます。
しかし、あれから80年近くが経ち
社会情勢は大きく変化していて、
社会に求められる人材像も変化しているのに
教育システムはこのままで良いのでしょうか。
僕自身も心当たりがあるのですが、
就職をすると
学校で学んでいた教育内容と
異なる能力を求められます。
クリエイティビティだったり、
課題解決能力だったり、
オリジナリティだったり。
「みんなと同じ」が是とされてきたのに
いきなり
あなたの個性は?
とか言われたって困っちゃいます。
勉強は楽しいのだ!
親である僕がこういう考え方だから
それを子どもに押し付ける
というのは正直違います。
我が家の場合、
学校へ行く行かないは
子どもの意思を
尊重したいと考えていますので、
行きたくないなら行かなくても良いし、
行きたくなったら行けばいいという考え方です。
子どもの頃、
授業って退屈な時間ではなかったですか?
同じ時間に椅子に座って同じ内容を勉強する。
特に年齢が若ければ若いほど、
成長度合いも興味の対象も全然異なります。
特に小学校低学年には
無理やり机に縛り付けて
興味もない勉強をさせるよりも、
興味のあることを
興味を持ったタイミングでやらせることの方が
重要だと思っています。
算数だって、
漢字だって、
興味を持ったタイミングが吸収するタイミング。
面白いくらいに覚えていきます。
「勉強はつまらない」
ということを学習させるのではなく、
「勉強は楽しい」
という体験を積み重ねていくほうが
重要ではないでしょうか。
よって、我が家では
子どもが学校に興味を持ったとき、
「行ってみたいな」と思ったときが
学校へ行くタイミングだと考えています。
勉強の心配をしていない理由に関しては
こちらの記事を拝読ください。
学校へ行かない子のその後
学校へ行かないことで
多くの親は
「子どもの将来が心配だ」
と考えるのではないでしょうか。
僕も当時心配でした。
そこで、かつて小学校に不登校だった人、
数人に話を聞いてみることにしました。
彼らの多くは
4〜5年生頃に
自主的に学校へ行くようになった
と言っていました。
そしてその後は
普通に毎日学校に通った
と。
そして我が家の娘も
小学校5年生になって、
毎日学校に通い始めました。
学校について尋ねると、
「楽しい!」
と言います。
ちゃんと子どもの意思を尊重していると
自分で学校へ行きたい
と思うタイミングが生まれるのだ
と実感しました。
まとめ
学校へ行かなければいけない
という考え方自体が
もはや過去の遺物になりかけています。
学校へ行くことには
大人の都合が大いに関係しており
子どもの意思を決して尊重していると言い難い。
これからの教育には
子どもの意思、
そして多様な選択肢が鍵になる
と思っています。
子どもが学校へ行きたくない
と言うならその選択肢を尊重できる
親でありたい。
学校へ行かないから
人生失敗するのではなく
学校へ行かないことを
失敗だと刷り込むから
結果失敗するのです。
大丈夫、学校へ行かないという選択肢を
認めてしまえば楽になります。
我が家はもう5年、
そうやって子どもの成長を見守っています。
子どもはちゃんと向き合えば
応えてくれる
と僕は信じています。
行きたくなったら行く。
僕ら親がそこまで子どものことを
待てるかどうか
それが重要なのではないでしょうか。
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